皆さん、
お正月を楽しく過ごされていますか?
お正月といえば
お餅をいただく場面が最も多い時期。

介護施設でも
せっかくならお餅を楽しみたい!
という利用者が
多いのではないでしょうか。
今回はそんなお餅のリスクと
飲み込み(嚥下:えんげ)が弱い
高齢者などのための
お餅以外にお正月の食事を
楽しむ方法をご紹介します♪
正月の餅が毎年問題になる理由
正月が近づくと、
毎年のようにニュースで目にするのが
「餅による誤嚥(ごえん)事故」です。
介護の現場でも
この時期「餅」が話題に出ます。
餅は、誤嚥事故のリスクが高く、
介護側は、自然と警戒モードに
なってしまう食べ物です。
利用者や家族にとっては
「お正月」を代表する食べ物です。
「今年くらい食べさせてあげたい」
「少しだけなら大丈夫じゃない?」
という声も上がるのも珍しくありません。
この温度差こそが、
正月の餅が毎年問題になる
大きな理由です。
餅が誤嚥しやすい理由を介護職の視点で
餅は、噛んでも噛んでもまとまりやすく、
唾液が少ないとのどに張り付きやすい
食品です。
高齢になると、
咀嚼力(そしゃくりょく)や
嚥下反射が低下し、
自分では「呑み込めているつもり」
でも実際にはのどに残ってしまうことが
あります。
特に暖かい状態から
餅が冷えて固くなる過程は
リスクが上がり危険です。
介護職として、
この特性を理解しているかで
適切な判断をすることが
できるかが決まります。
エピソード①
私が働いていた職場でも
施設に入居されている利用者が
お正月で自宅に帰宅し、
ご家族やご親戚と集まった際、
お雑煮のお餅を食べて、
のどに詰まらせて
救急搬送された
という話がありました。
ご家族には
「1年前より飲み込みの力が
弱ってきており、
食事中にむせたりすることが多い」
ことを伝えていて、
正月の外泊の時にも
お餅の注意喚起はしていました。
しかし、
お正月に親戚が来ていたのと
本人の強い希望もあり
「ちょっとくらいなら・・」
と家族も可哀そうになり
食べさせてしまったとのことでした。
ご家族や本人に悪気はなく、
思い出を基準に
判断しているだけなのです。
だからこそ介護職は、
感情を否定せず
「今の状態」を
丁寧に伝える役割を担っています。
餅を提供する際の注意点
餅を提供する場合は、
①小さく切る
②食べ物の温度を一定に保つ工夫をする
③必ずそばで見守り飲み込みを確認する
など基本を徹底します。
また、食べる前に
ST(言語聴覚士)や看護師と
情報共有を行い、
リスクの評価をしてもらってください。
普段からパタカラ体操や
首周りのストレッチなど
嚥下機能向上のための
運動も取り入れるといいと思います。
こちらも
STや看護師に相談するといいでしょう。
そして「中断する判断」も重要です。
少しでも、むせや疲労が見られたら
中止する勇気も必要です。
食べさせ切ることより、
安全を守る判断が
介護職には求められます。
餅の代替で「正月らしさ」を守る工夫
餅をそのまま出せなくても、
正月気分をあきらめる必要はありません。
すり餅風のとろみ食や、
餅風デザートなどは
インターネットで
購入することができます。
また、雑煮風スープなど、
餅を使用しないレシピもあるので
検索すればたくさんあります。
そういったものに頼って
季節感を演出することも可能です。
お椀や箸をそれっぽいものに替えたり、
お盆やランチョンマットなどで
正月感を演出するなど工夫することで
利用者満足度にもつながります。
食事形態=制限ではなく、
楽しみ方の工夫として
捉えるのも大切です。
誤嚥したときの対処方法
- 咳を促す
咳ができる場合は、
できるだけ咳をさせて
異物を吐き出させます。 - 背部叩打法
咳ができない場合は、
前かがみにして
背中を強く叩いて
異物を取り除く手助けをします。 - 119番通報
ドクターがいない場合で
「反応がない」
「意識を失った」
そんな時は
すぐに119番に通報し、
救急車を呼びます。
家族への説明で大切にしたいこと
家族へ説明する際は、
「危ないからダメ」ではなく、
「安全に正月を楽しむために」という
視点で伝えることが重要です。
「今の嚥下状態ではリスクが高いこと」
「代わりにできる方法があること」を
一緒に伝えることで
納得してもらいやすくなります。
介護職は、
家族の思いと専門職の判断を
つなぐ役割もあります。
正月の餅を通して考える介護職の役割
正月の餅は、
単なる食事介助の話ではありません。
「文化」「思い出」「命の安全」
そのすべてが交差するテーマです。
利用者の人生を尊重しつつ、
リスクを見極め、
その中から最善の選択をする。
その積み重ねが
介護の専門性に重要なことです。
正月の餅に悩む瞬間も
また、介護職としての
判断力が磨かれる
瞬間なのかもしれません。
まとめ|禁止ではなく「工夫」で正月を迎える
正月の餅は、
毎年悩まされるテーマです。
しかし、禁止か許可かの2択ではなく、
「そう工夫するか」を考えることで
選択肢は広がります。
「安全を守ること」
「楽しみを支えること」
その両方を大切にする視点をもって、
今年の正月も穏やかに
迎え入れられるよう
備えていきましょう。
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