- 「昔のことは覚えているのに最近のことはすっぽり忘れてしまう」
- 「同じものをずっと食べ続ける」
- 「地面に足が張り付いたように歩き出しがなかなか出ない」など
そんな症状の方が身近にいませんか?
これって実は認知症かもしれません!
よく聞く名前ですが、認知症ってどんな病気?具体的にどんな症状なの?
今回は、認知症についてまとめてみました!
認知症ってどんな病気?

認知症は、様々な原因から脳の機能が低下して認知面や知的面で日常生活に支障をきたす病気の総称です。
主に高齢者に起こりますが、若年性認知症もあります。
※若年性認知症とは、中年(40代~60代)以前に発症する認知症のことを指します。一般的な高齢者の認知症とは異なり、若年性認知症は症状が進行しやすく、患者や家族にとっては非常に困難な疾患です。
認知症には、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、血管性認知症、前頭側頭型認知症、パーキンソン病性認知症など、様々な種類があります。
認知症の症状はどんなものがある?

主な症状は、基本的な症状である記憶障害、判断力の低下、認知機能の低下、言葉の理解や表現の困難、空間認識の障害など中核症状が現れます。
また、それに伴い不安やうつ病、行動の変化など行動・心理症状も現れることがあります。
中核症状
記憶障害 新しい記憶から薄れていきます。
初期の段階だと数日前のことが思い出せなくなる→数分前のことが分からなくなる、というように症状が進行していきます。
見当識障害 季節感や日付、自分がいる場所や家族の顔が分からないなど時期や場所の認識ができなくなります。
失語・失認・失行 視覚、嗅覚、聴覚、運動機能などそのものに異常がなくても会話や認識、行動ができなくなります。
具体的な例を挙げると
- 相手の言葉を理解できない、言葉がうまく出てこない(失語)
- 鏡や写真などで見た自分の顔が自分だとわからなくなったり、(失認)
- 洋服を着るときに袖に腕をうまく通せない、今まで作っていた料理の手順が分からなくなる(失行)
などがあります。
行動・心理症状(BPSD)
行動・心理症状は上記でも説明した中核症状によって引き起こされる症状のことで以前は周辺症状とも呼ばれていました。
行動面の症状
徘徊 徘徊には目的をもって歩いている場合と不安感から歩き回っている場合があります。よくあるのは夕方になると自分の家に帰ろうと落ち着きがなくなる夕暮れ症候群があります。
興奮・暴言・暴力 環境の変化などによる不安感から興奮状態になったり相手が理解できず相手が敵意を持っていると思い込んで暴言や暴力をふるうこともあります。介護に対する拒否や抵抗といったこともあります。
異食 食べ物とそうでないものを認識できず食べ物でないものを口に入れてしまいます。
失禁 トイレの場所や便器の使い方が分からなかったりトイレに行きたいという感覚がなく失禁してしまうことがあります。
常同行動 同じ言動を何回も繰り返してし合うことです。同じ内容の話を短時間で何度も話したり、同じところを何度も行き来するなど。
心理面の症状
抑うつ 理由もなく意欲が低下して、自分自身や周囲の出来事に関して無関心になります。
感情失禁 自分の感情をコントロールできなくなりふとした時に急に感情がこみあげて号泣したり怒り出したりします。
睡眠障害 日中異常に眠りやすくなりそれに伴って夜眠れなくなり昼夜逆転が生じたり、睡眠をとってもスッキリ眠れた気がしないなどがあります。
幻覚・妄想 実際には見えないものが見えたり聞こえたり、誰かに物を取られたなどと思い込むもの盗られ妄想や被害妄想があります。
認知症の原因
認知症の原因は、遺伝、加齢、脳梗塞・脳出血・交通事故などの外傷、アルコールや薬物の乱用・糖尿病・高血圧など生活習慣の悪化などから脳にダメージが起きることからなります。
そのダメージを受ける場所によって出現する症状が変わるといわれています。
予防法としては、バランスの良い食事や運動など生活習慣の改善、社会的交流の維持などが挙げられます。
治療方法はどのようなものがあるの?

まず先にいうと認知症そのものの治癒や完全に症状を止めることはできません。
ここでいう治療法は認知症の進行を遅らせるためのものです。
認知症における治療法としては、薬物療法や認知症患者の生活環境の改善、リハビリテーションなどがあります。
また、非薬物療法として下記のような治療法もあります。
現実見当識訓練
リアリティ・オリエンテーションともいわれ、見当識障害のある人に対し行われる非薬物療法です。
1日の流れの中で日付や場所、名前などの情報を繰り返し質問することで、現実に対する認識や感覚を高める訓練です。
混乱状態にある人やせん妄にある人にも適用される訓練になります。
回想法
認知症でも比較的記憶が保たれている幼少期の記憶などを引き出すことで認知症の心の安定を図る心理療法になります。
グループや個人に対して行い、幼少期の思い出やなじみのものに対して思い出話を促し、共感しあうことでコミュニケーションを深めるきっかけにもなります。
小さいころに遊んでいたもの、好きだった歌手や俳優の話など。
その他にも音楽療法や芸術療法などもあります。
まとめ

いかがでしたか?
今回は認知症についてご紹介しました。
認知症は高齢者のイメージが強いと思いますが、40~50代という比較的若い時から認知症になる場合もあります。
もし、認知症になってしまった場合、早期に発見し、家族や周りの人々の支援を受けながら生活することが大切です。
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