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介護で車いすの不具合に気づいたら|使う前の確認と報告のポイント

空の車いすのそばで確認項目を持つ蒼

利用者さんを案内する前に、空の車いすを準備していて「いつもと音が違う」「部品がぐらついている」と気づくことはありませんか。次の予定が近いと、どこまで確認して誰に伝えるか迷うかもしれません。

安全に使えるか疑問があるときは、使用を見合わせ、職場の担当者へ知らせましょう。今回は、主に手動車いすの使用前確認と、不具合を見つけた後の報告を整理します。点検の方法や基準は、使っている機種の取扱説明書と職場の手順で確認してください。

車いすの取扱説明書を開いて確認する蒼
型式と説明書を照合し、製品に合った確認項目を見ます。

使う車いすの型式と説明書を確かめる

同じように見える車いすでも、構造や点検する場所は機種によって違います。まず、本体の表示や職場の管理台帳から、メーカー・型式・管理番号を確かめ、対応する説明書を開けるようにしておきます。

説明書を見つけられないときは、先輩や福祉用具の管理担当者に保管場所を聞いてみましょう。メーカーのサイトで探す場合も、型式が一致しているかを照合します。

カワムラサイクルのKVシリーズ取扱説明書には、使用前の安全確認と、部位ごとの点検項目が示されています。このリストを参考に、自分の職場で使う製品の説明書には何が書かれているかを確認してみてください。KVシリーズ取扱説明書「点検・整備する」

見た目と動きの気になる変化を拾う

別府重度障害者センターの資料では、タイヤ、ブレーキ、肘掛けや足を載せる部分などの点検が紹介されています。「車椅子の維持管理と基本操作」本文7〜9ページ

使用前には、説明書で指定された方法に沿って、次のような点を確認します。

  • タイヤや車輪に傷・変形などがないか
  • ブレーキが説明書どおりに働くか
  • 肘掛けや足を載せる部分に、ぐらつきや破損がないか
  • シートなどに傷みや、気になる変化がないか

分からない項目は、そのまま担当者に尋ねてください。利用者さんを乗せて不具合を試すことは避け、安全な状態で確認できる範囲を職場で共有しておきましょう。

「右側の小さな車輪の辺りから音がする」のように、場所と変化を言葉にすると相談のきっかけになります。部品の名前が分からないときも、説明書の図や実物を担当者と一緒に見れば、伝えたい場所を確かめられます。

異常を感じたら使用を見合わせ、担当者へつなぐ

ブレーキの効きや部品の固定などに不安があるときは、使用を見合わせ、責任者や管理担当者に報告します。別府重度障害者センターの資料は、異常時に販売店やメーカーへ連絡して修理の支援を受けるよう案内しています。

NITEが2020年に公表した資料には、駐車ブレーキが掛からず、乗り移る際に車いすが回転して負傷したと推定される事例があります。ブレーキの気になる変化も、早めに相談したい情報です。NITE「屋内で起こる高齢者の転倒・転落事故を防ぐ」東海4県版

使用を見合わせた車いすについては、職場の方法で状態を表示し、ほかの職員にも伝えます。置き場所や表示方法が決まっていなければ、誰が確認するかを責任者に相談しましょう。利用者さんへの説明や代わりの用具は、本人の状態と支援方針に合わせて担当者と確認します。

部品の締め付けや調整などは、説明書と職場で定めた担当範囲に従います。修理の依頼先、再び使えるかを確認する担当者まで把握しておくと、その後の対応も追いやすくなります。

使用を見合わせた車いすについて同僚へ報告する蒼
対象の車いすと気になる状態、現在の対応を伝えます。

「何となく変」を、具体的な報告にする

報告の際は、どの車いすの、どこに、どんな変化があり、今どのように扱っているかを順に伝えます。次の項目を短いメモにすると、伝え忘れを確認できます。

  • 管理番号や型式など、対象を特定できる情報
  • 気づいた日時と場面
  • 見たこと・聞いた音・本人からの訴え
  • 使用を見合わせたことと保管場所
  • 報告した相手と、その後の対応

以下は報告の仕方を考えるための架空の例です。

「管理番号Aの車いすです。14時ごろ、使用前の確認で右の肘掛けにぐらつきがありました。使用を見合わせ、職場で決めた場所に置いています。状態の確認をお願いします」

原因が分からなければ、見聞きしたことをそのまま伝えます。部品の破損が見えた場合と、音だけが気になる場合でも、確認できている内容は違います。担当者に伝わったか、その後誰が対応するかまで確認しましょう。

事実と自分の解釈を分ける書き方は、介護記録の書き方|事実と感想を分けて伝える5つのコツでも紹介しています。用具の報告は職場の指定様式に合わせて残してください。

まとめ

車いすの準備では、使う機種の説明書を確かめ、指定された使用前確認を行います。安全に使えるか疑問があれば使用を見合わせ、対象の車いすと気になる場所、今の対応を担当者へ伝えましょう。

次の準備のときに、説明書の保管場所と、不具合時の報告先を確認してみてください。小さな気づきを具体的に伝えることが、点検や修理の相談につながります。

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参考資料

資料確認日:2026年11月6日。メーカー資料は点検項目の例として参照しています。使用中の製品に対応する説明書・補足資料を確認してください。

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